bonar note

京都のエンジニア bonar の技術的なことや技術的でない日常のブログです。

朝走るようになって捗った話と、その周辺で考えた事

長らくブログを書いていなかったので、とりとめもなく「痩せた」話を書こうと思います。まあ大したこと内容ではないのですが(大した内容だったことがないですが)、テキストを書くリハビリです。ここ半年は僕の中でインターネットの存在が相対的に小さかったのですが、その理由の多くがこのことが原因だからです。

最近の僕にとって優先度の高い課題であり目をそらせない問題がありました。それは「肥満」です。 会社の健康診断プログラムとオムロン体脂肪計の最大限顧客に配慮した表現でいえば「軽肥満」です。とりあえず、僕は太っていたのです。

健康診断での先生からの「このまま行くと、生活習慣病間違いなしだよね」という心温まるアドバイスと、幼稚園のパパフットサルでのあまりの動けなさ( 疲労のために視界が白く弾け、宇宙の意識とチャンネル出来そうだった)がきっかけになって、僕は毎朝走る事にしました。

夜ではなく朝にしたのは、夜だとめんどくさくなっちゃってやらないかなと思ったからなのですが、結果的にこれが僕にとても合っていました。人が少なくて空気が澄んでるし、朝日を見ながら走るのはとても気持ちいいです。あと、朝は起きさえすれば必ず時間があります。ぎりぎりまで寝るために夜ランニングウェアを着て寝てます。

走る距離は最初は2kmくらいから始まって、今は毎日8kmくらいです。疲れていたり雨が強い日は休みます。

学生時代を思い返すと、 苦手だった水泳を克服するためにプールの無い高校に進学する程僕は運動しないことに関しては戦略的なので、これは奇跡です。しかも驚くべきことに半年以上継続しており、徐々に距離も伸びています。

32歳になるまでまともな運動をしてこなかった僕が、ランニングに関しては見事にハマってしまったのです。なんでこんなことになってしまったのか思い出しながら昔の自分を説得するつもりで走る魅力について書いてみました。

走ることのメリット

痩せる

毎日走るようになって、最初の三ヶ月で 13kg 減りました。それ以後はほぼ横ばい(月-0.5kg)で変化していません。13kg減という数字以上に体感的に体が軽くなった感じがします。ウエストは10.5cm小さくなり、ズボンを全て買い直しました。

運動を始める前に比べてそれほど食べる量は変わっていないので(バランスには気をつけるようになった)、単純に運動不足が問題だったんだと思います。言い方を変えれば、消費カロリーよりも摂取カロリーが大幅に上回っていたということです。

具体的に測ったわけでは無いので完全に憶測ですが、僕の周りをみても僕より太っている人でさえ僕より食べてないように見えるので、多くの人にとって肥満の問題は運動不足の問題なのではと思っています。

食生活への関心が高まる

運動するようになると自然と食生活にも関心が向くようになります。限りある時間のなかで行う運動の効果を最大化したいし、体の変化( 痩せてきたり、太腿やふくらはぎが硬くなってくる)を実感するようになるからです。

嗜好の赴くままに食べるとどうしても野菜が足りずに炭水化物を摂りすぎる食生活になるので、「なるべく野菜でお腹いっぱいになる」くらいの心がけで今は食べています。食べるのを制限する(食べない)と本当に悲しく惨めな気持ちになっちゃうのであまりおすすめできません。そういうのは続かないですよね。運動を続けていけば自然と食生活が変わるのでそれに任せればいいのではと個人的には思っています。

食生活に関してはTEDで心を動かされたトークが二つあるので紹介します。

グレアム・ヒル /「ウィークデイベジタリアン(週5日の菜食主義)」のすすめ
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厳格な菜食主義に関して、「動物を殺したら可愛いそう」という観点でそうしてるのかと思っていたのですが、「全人類を養うカロリーを生成するためには菜食主義の方が効率的」という発想もあるんだということを知りました。ベジタリアンになるのは難しいと思うのですが、徐々にそういう方向にシフトしていこう、というのなら可能なバランスもあるかもしれないですね。

ジェイミーオリバー / 子供たちに食の教育を
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食に関する教養がいかに大切かということがよくわかります。あと日本の給食がいかにまともかということも。何をどれだけ食べればいいのかという話は凄く難しいですね。家庭科の授業で習ったはずですがまったく覚えていません。食生活を記録して、何カロリー摂取したかではなくて「次に何を食べればいいのか」をアドバイスしてくれるアプリやサービスがあればいいかも。

なぜランニングなのか

たくさんあるスポーツの中でなぜランニングなのかについて考えてみました。

いつでもどこでも出来る(靴があれば)

例えばフットサルをしようと思うと最低10人必要で、かつコートを予約したりしないといけないのでかなり大事ですが、ランニングは走れる格好をしてシューズをはいたらすぐできます。ランニングのフォームを解説したような本はたくさんあって何冊か読んだのですが、結局一番響いたのは小出監督の本ですね。

知識ゼロからのジョギング&マラソン入門

知識ゼロからのジョギング&マラソン入門

「走ってれば自然と楽なフォームになるから、細かいことは気にしないで楽しもう」という姿勢で書かれていて、「疲れたら歩けばいい」というのにかなり励まされました。最初のうちは「さあ走るぞ!」と走り出して 200m 先で既に歩いているような感じだったので、この本を読んでなかったら心が折れていたかもしれません。

唯一必要なシューズですが、僕は最初足にあってない靴を履いて足の裏がマメだらけになったりしたので、恥ずかしがらずにお店の人に足の長さと幅をはかってもらった方がいいです。普通のランナーがはくシューズは1万円〜1万5000円くらいだと思うので、趣味としてもいい感じの金額ですよね。

最初のうちはソールが厚くクッション性の高い靴を勧められると思います。膝を痛めてしまっては走れない(そしてそういう人は沢山いる)ので僕も比較的クッション性の高いシューズ(assics New York)を履いているのですが、そうではなくむしろ高機能なスニーカーを履いているから故障するんだと言う人もいます。

クリストファー・マクドーガル「人類は走るために生まれたのか?」
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ランナーの間ではかなり有名な「Born to Run」という本を書いた人です。発汗しながら体温を調節して長距離を走るのは人間だけという話、現代のランナーの殆どが悩んでいる怪我、足を保護しすぎて土踏まずのアーチが無くなっているという話、一日に100km以上も走る秘境のタラウマラ族、ちょっと読みづらいですがそういうランニングの話題が詰め込まれたマラソン冒険ドキュメンタリーです。

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

僕たちは小さい頃、走るときには踵で着地する(ヒールストライク)ように教わりました。今でも基本的にはそう指導している本が多いですが、足裏全体や足の前側(フォアフット)で着地する方が走りやすく膝への負担が少ないのでは、という考え方も大きな潮流となっています。また、ランニング界の今最もアツいバズワードは「裸足感覚」で、厚いソールではなくもっとダイレクトに地面を感じられるようにして足を鍛えようという靴がたくさん出ています。興味を持ってみると「走る」という基本的な動作にも色々な移り変わりがあるんだと分かります。面白いですよね。

脱線しましたが、思い立ったときにすぐシューズを履いて始められるというのがいいところですね。僕はかなりものぐさなのでこの手軽さは本当にいいなと思いました。

誰とも競わなくていい

一人で走っている分には誰かに負かされて悲しい気持ちになることがありません。朝は周りに誰もいないので疲れて歩いてしまっても問題ありません。これ重要ですよね。

大会等に出ても他の誰かと競い合ってるような人はあまりいなくて、自己ベストを更新できるかどうかをみんな気にしている気がします。はじめからコテンパンにされてしまったり、誰かの足を引っ張ってしまうようなことが無いのが精神衛生上すごくいいです。

自分の成長を感じられる

僕は iPhoneNike+ アプリを使って毎日走った距離を記録しています。毎日どれくらい走ったのか後から見ることが出来て、且つ走ったルートが見れたりします。こんな感じです。

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こういう記録をつけていくと、自分が少しずつ成長していることが実感出来ます。Nike+アプリでは「今日のラン、ホームラン級やで」と清原が棒読みで励ましてくれるのでやる気が出ます。定番アプリですが、毎日の消費カロリーや最長/最速記録等も見れるのでランニング記録として重宝してます。ランニング開始を facebook に通知して、イイネ を押して励ましてもらう機能とか面白いです。

Nike, Inc. - Nike+ GPS - http://itun.es/iLP3H9 #iTunes

自分だけの時間

朝走っている時、今は大体8kmを1時間弱くらいのゆっくりなペースで走っているのですが、6時くらいのまだ暗い時間から始まって夜明けを超えていく間ずっと一人で音楽を聴きながら(Nike+でBGMを設定出来る)走っていると本当に良い気分です。

特に既婚者や仕事が忙しい人にとって生活の中で最も重要なものは「ひとりの時間」なんじゃないでしょうか。ひとりで好きな音楽を聴きながらとりとめも無いことを考える1時間は素晴らしいです。すごくポジティブな気分になって、こころのバランスに良い影響を与えている気がします。多分。

まとめ

関心を持つと今まで気にしてなかったいろんなことを再発見するきっかけになるなと痛感しました。運動不足にお悩みの方は深く考えずにランニングシューズを買って好きな音楽を聴きながらブラブラ歩くといいことがあるんじゃないかと思います。疲れたら歩けばいいだけですし。