pha さんの「ニートの歩き方」を読んで働く事について考えた
「ニートの歩き方」を読みました。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は CAMPFIRE というクラウドファンディングのサービスで制作資金を募っていて、僕も 2500円 出資しました。
CAMPFIRE - http://camp-fire.jp
2500円で実際にこの本がもらえて、巻末のスペシャルサンクスに名前が載ります。さらにpha さんの本棚から以下の3冊の本をもらいました。
さらに「くそだるい」シールも。これいいですよね。
本が税抜き1580円なので、制作資金を出したというよりも「初回限定特別版を買った」という感じですね。この手のサービスにお金を出すのは初めてでしたが、小さな金額にも関わらず「このプロジェクトに参加している」という感じもしますし、おまけも一杯もらえて嬉しいです!
働かなくてもいい
この本は pha さんがいかにしてニートになり、どのように生活しているかを解説しつつ、自身のニート観について書かれた本です。特に驚くような秘技や裏技があるわけではないのですが、pha さんの実体験が色々盛り込まれていてとても楽しく読めました。
僕自身は「会社に行きたく無い」みたいに思う事はほとんどないので、この本で言う「多数派」かもしれません。なので、「会社で働く事がこんなに苦痛な人もいるのか」という驚きがまずありました。
pha さんのように同じ姿勢で同じ事をするのが辛い、ということだと確かに学校も会社もかなり苦痛かも知れないですね。。そういう人たちが無理して働く事は無いし、みんなと同じようには働けない人たちを許容出来る社会であってほしいという部分には共感しました。
僕も個人事業主で仕事が無い期間は本当につらかったので、もうちょっと優しくしてほしいなと思いました。少なくとも経済的に自立している場合には何も文句を言われる必要は無いかなと。
生活
ただ、pha さんの収入源であるアフィリエイトやせどり(本の転売)等を他の人がまねするのはかなり厳しいだろうなとも思いました(ご本人もそう書かれてますが)。特にアフィリエイトは万単位の収入を得ようと思うとかなりの人気ブログになる必要があります。また、ネットで物やお金をもらうにしてもそれなりに豊かなソーシャルキャピタルが必要で、そこまで行くのがハードで、手順を一般化出来ない部分でもあります。
インターネットの恵みで生きる、という部分は非常に魅力的なコンセプトだったのですが、正直ちょっと現実味を感じられなかったです。ニートが生活していく方法、というよりは pha さんはこうしてます、という話ですね。
会社員をニート方向に寄せる
「働かない!」「けしからん!」という部分だけがクローズアップされがちですが、これは「好きなことを仕事にしたいし、その方がパフォーマンスが高い」という話で、僕たちにも関係のある話難じゃないかと思えてきました。
例えば pha さんの場合、今の生活がうまく言っているのは、インターネットでテキストを書くという「仕事」が自分にあっていて、且つそれが可能な資質を持っていて(読者を惹き付ける魅力がある)、マネタイズする仕組みがあった(アフィリエイト)という事だと思います。
自分に向いていて(やっていて楽しくて)、労働強度が常識的な範囲の収入源を見つける、というのが多くの人にとっての戦略になるのかもしれません。村上龍さんが「自分の好きな事と食べる事の接点を見つける」という趣旨の事をいっていてなるほど、と思ったのですが、サッカー選手にはなれなくても、審判になったり、スパイクやコンプレッションタイツを開発したり、フットサルコートで初心者に教えたり、色々な可能性の中で、収入は少なくても(多い方がいいけど)自分にあった仕事を見つけるほうが人生全体としてはいいよね、という事とか。

- 作者: 村上龍,はまのゆか
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 大型本
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また、会社員の人にとっても、会社で自分のやりたい事のすべてを満たす事は出来ないので、会社での評価を捨てて定時に上がり、好きな事をする時間を作る、とか奥さんや友達と小さなビジネスをするとか、そういう事で可能性が広がり、救われるかもしれません。
人生の中の「会社」の部分を減らして、少しだけニート方向にシフトするのは、ちょっと楽しそうだなと思いました。
という訳で、「なんで仕事してんの?」というのを考えさせる本かもしれません。